グーグルアカウントの手のひらで

メディア運営者。GoogleやAppleの手のひらで踊る道化師のブログ。

アドブロック歓迎者は視野が狭い。その理由やエコシステムについて。

最近話題のアドブロックに、いっちょ噛みしてみたい。

前置きから始めるので、本題にたどり着くまでが長い。

まず言いたいことを書く。

 

今、ネットユーザーやはてな村の人でアドブロックを歓迎している人をチラホラ見受ける。

 

だが、アドブロック歓迎、それは非常に浅薄で視野が狭いことだと言える。


一言で言うなら、

はてなもウェブ広告を入れてる。そのサービスを大多数は無料で使っているはず

である。(はてなの有料課金数はしらん。)


アドブロック支持することが、「視野が狭いと思う理由」を長々とシルバーウィークの初日に仕事でもないことに取りかかりる事としよう。

 

私自身についても軽くご紹介:ウェブメディアを主軸に小規模な企業を運営している。


本記事の目的は私の憂さ晴らしも兼ねている。


もちろん反対意見があればブコメorTwitterにでもどうぞ。
(できれば最後まで読んでからね!)


前置き

そもそも1企業に過ぎないGoogleAppleではあるが、日本のIT系(主にBtoCサービス)は、その手のひらの中で収益をあげている企業がほとんどだと言える。(ブロガーなどもこの経済圏の一部だといえる)

 

一時期のmixiは閉じた世界でプラットフォーマーとしてゲーム課金や広告収益の確立ができていた。(DeNA,greeもか。)

 

だがmixiなどは、今やソシャゲ会社としてGoogleAppleの手のひらの上だ。
(オイタが過ぎて先日モンストがBANされたのは「手のひらの上にある事」の一つの例かもしれない)

 

数少ない例外としては、ニコニコ動画などは閉じた世界で収益化している。

それ以外の日本の一般ユーザー向けITサービスはGoogleAppleの何らか、アクセスの誘導元としていたり、プラットフォームからの受益者としての範囲でしか事業を行えていないのが現状である。(上場している食べログ、クックパッド、ASP会社、リクルート系web媒体であっても元をたどればSEOからの動線が強かったり、アプリ内課金を利用していたり、アプリストアから誘導をしている会社が多い)

 

GoogleAppleに頼らない、プラットフォーマーとしての可能性が高い日本?のサービスはLINEだろう。
現状はGoogleAppleの課金決済やストアなどを使わざるを得ないので、完全に独立したプラットフォーマーとしてはまだまだと言えるだろう。

 

FacebookやLINEクラスでなければこれら1企業に左右されない真のプラットフォーマーとは成り得ない。

 

故に私は、AppleGoogleをお釈迦様のように感じている。

彼らの手のひらの上で、彼らの胸三寸で一捻りにされる悲しき存在だ。
あくまで神のように振る舞える存在のたとえであり、本当に神だとは思っていないし、私は無神論者だ。

ここで言いたかったことは彼らの胸三寸に左右されるということだ。


今回のAppleによるアドブロックへの動きは、正に彼らの手のひらに置かれている我々の存在のちっぽけさを表す事象だといえる。(我々:日本のウェブサービス・アプリ事業者から個人のブロガーまでを指す。)

 

アドブロックに対して思うこと

前置きがだいぶ長くなったが、話題のアドブロックに話を戻そう。

Appleによる、Google潰しであるという説まである。

d.hatena.ne.jp


例えるなら釈迦とキリストの宗教戦争だろうか。

あ、宗教に詳しくないのでツッコミは無しで。
例えに悪意もない。


ネットメディアはもちろんのこと、先ほどの例で示した通り、一般ユーザー向けのITサービスがGoogleAppleの手のひらの上に乗っている。

アドブロックはこの生態系を大きく崩す一因となることが考えられる。

どのようなことが起こりうるかを紹介したい。

 

ネイティブアド問題

アドブロックに対し、今後より大きな潮流としては「ネイティブアド」だろう。

ネイティブアドに色々と定義があるが、ここでは記事広告スタイルの物を指す。

もちろん、業界的にはPRマークを入れる、入れないなどでもめていた時期もあるが、現在の共通認識としてはノンクレジット広告は排除されていく流れとなっている。

アドブロックにより予測される近未来として、ネイティブアドがより増えていく事は間違いない。

企業プロモーションの記事が増えることは喜ばしいのであろうか?

 

みんなの心の星である、mery,iemo,gunosyなどのキューレーションメディアやアプリ。

私自身、キューレーション系サービスに好意的なイメージを持っていない。


手間暇をかけてコンテンツ制作し、真面目にウェブメディアを生業としている身からすれば彼らのことを好きになれるはずがない。

もちろん商売としての上手さやマーケティング力、組織力を組むだけの資金や調達するだけの人脈など、尊敬する部分はあるが。

 

ちょっと話が逸れたが、これらのキューレーション系のサービスは、今よりもネイティブアドに注力するであろう。
(そもそもキューレーションメディアはアプリ経由でのアクセスがある程度あり、影響は限定的である。)


すると皆さんの手元に届く情報は企業がPRの目的で作成した記事が増えていく。

今よりも確実に企業寄りの内容の記事が目につくことになる。

そしてこのPRを受けられるレベルの媒体となると、ある程度の規模が必要であり、個人ブロガーなどの露出は今よりも減ると考えられる。


もちろん、ヨッピーのように、記事広告であっても魅力的な内容に仕立て、話題にできる人も数少ないがいる事はいる。

ヨッピーのブログ(仮)

 

彼のように狙ってバズを起こしつつも、悪い企業イメージにならないバランス感覚の持ち主は少ないし、今後一気に増えるとは思えない。

はてなー大好きイケハヤさんは独善的な目線のため、バズるには違いないが、企業イメージとしてはどうなんだろ?と感じるので、バランス感覚を保ちつつ、定期的にバズを起こせる人は数少ないと言える。


私自身は、直貼りのバナー広告(アドセンスなど)が掲載されている記事とネイティブアドの記事であれば前者のほうが独自性を保ちやすい環境で作られた記事の可能性が高いと感じる。

また、手軽なマネタイズの手段(本記事ではバナー系広告)が減ることは新たなサービスが出来上がる可能性を幾ばくか下げる。


ネイティブアドだらけのサイトを見ていて楽しいですか?
全部がヨッピーレベルの記事にはならないですよ??

 

テレビとの比較 

アップル社iOS9の広告ブロック機能で大混乱しているようです(えふしん) - 個人 - Yahoo!ニュース

その話はテレビ録画のCMスキップ機能で散々行われた。/長期的には広告モデル以外の方法を模索するか、足の引っ張り合いになるしかないのでは

2015/09/19 09:21

この広告モデル以外の模索は少々危険なようにも思う。

 

目に見えた広告枠の売買以外もあるので知らぬうちに広告を見せられているかもよ、というのが私の意見だ。

私自身テレビ業界に明るくないので勝手な想像だが、「お願いランキング」などはプロモーション企業から金銭などの授受があるのでは?と思っている。

じゃあ王様のブランチの書籍紹介コーナーは??
ワールドビジネスサテライトの話題の企業紹介は???


私の知るところでは、話題作りにスポーツ新聞記者に袖の下を渡すことで、記事を書いてもらっている現場を見たことがある。(もちろんネタは面白く、ニュースソースになることが前提であるが。)


アドブロックに話を戻せば、今まで存在した収益がなくなることは、何らかの穴埋めをするための力学が働いてもおかしくない。

もちろんこれらはステマなのでメディアの倫理観が問われることになるだろう。
(私はしないですよ。ただ今まで以上に増えるだろうな、と。)

 

ただこの意見のように止められない流れだとも感じる。

 

アップル社iOS9の広告ブロック機能で大混乱しているようです(えふしん) - 個人 - Yahoo!ニュース

Webサービスの生態系が破壊される可能性があります」←人々がテレビ番組を録画してCMカットして見るようになってテレビ局の人が同じことを言っていたんだけど、どれだけ聞く耳を持つ人がいたか、って話はあるよな。

2015/09/19 09:29


「Webサービスの生態系が破壊される可能性があります」←人々がテレビ番組を録画してCMカットして見るようになってテレビ局の人が同じことを言っていたんだけど、どれだけ聞く耳を持つ人がいたか、って話はあるよな。 - mohno のコメント / はてなブックマーク

 

アドブロック歓迎者が浅薄な理由

もちろん、いちユーザーとすればアドブロックは広告の誤タップやしつこいオーバーレイ広告、気持ちの悪いリターゲティング広告などが防がれた上に、サイトの読み込み速度が上がればいいことのように思えるかもしれない。

それだけでアドブロックを歓迎しているとすればその考えは浅薄だと言わざるをえない。


私自身の考えではあるが、webというスペース自体、公共の場だと認識している。
公共の場である以上、もちろん過度な広告量が掲載されているメディアは論外だ。


話題になっていた、えふしん氏の記事もほとんどは同意である。

bylines.news.yahoo.co.jp

 

(安保ネタは文脈からすると必要ないような…。)

そして、えふしん氏の追記でも有ったが、アドブロックへの対策は可能で無効にされる可能性もあり、影響が大きければ様々な対策がなされることであろう。

 

通信費を圧迫しているという観点

通信費の圧迫を許せない人も見受けられた。

私もキャリアの容量制限に引っかかり、ストレスを感じたとこはあるので理解は出来る。

 

同じくテレビになぞらえるなら、テレビを見る時の電気代のような存在だというのが私の意見だ。

もちろん余分に電気を食うテレビを作ったら(広告が多く通信費が異常にかかるサイトなど)それは非難されるべきだが。

電気代は払いたくないが、テレビは見たいは通用しないのでは無いだろうか。

 

ユーザーの皆さんに通信費という意味でいくばくかのコストを負担してもらっているという認識はしつつも、いちユーザーとして、そのコストを上回るメリットを享受できているからこそ、現在のスマホやウェブが発達した一因なのではないだろうか。

例えば外出先で便利なGoogle Map、美味しい店を探す時の食べログ、夕食を作る時のクックパッドなどなど。


出した例が広告モデルがメインではないサービスだが、例を出すならIngressを喜んで使いながら(通信費を使いながら)、広告モデルで収益を上げている、通信費を圧迫しているとウェブサイトを非難する人がいれば矛盾に満ちているといえる。


そもそも自分の目に見える業態で、許せる業態ならOKなのか?という疑問。
そして、Googleの7~8割の収益は広告(うろ覚え)であり、その利益から様々な無料に見えるサービスを提供している。


企業がある程度時間やコストをかけて作ってきた記事や無料アプリなどはそれぞれにコストがかかっている。


皆さんがご利用のはてなのサービスだってそうだ。

そりゃあんたち企業やブロガーが取らぬ狸の皮算用で、収益を勝手に見込んでやっただけだろ!
という意見も聞こえそうだ。

 

もちろんそうだ。
だが昨日までアテにしていたものが無くなれば存続できなくなる事もありえる。

そして、確認した所アドセンスが日本でのサービス提供から10年くらいだった。
その他の広告形態や同様のサービスはその前からも有ったが、「広告の発展とそれに紐づくエコシステム」はここ10年に大きく発展し、Googleは大きくその発展に寄与したと言える。

アドブロックによりフリーライドしてまで、これらを潰せることに喜びを感じる(アドブロックを盲目的に歓迎できる)のであれば、視野が狭いのでは?と言いたい。
スマホスマホアプリもウェブも検索も使っておらず、その受益者ではない人にはこの記事は届かないであろう。必然的に今本記事をご覧の皆さんは何らか今のウェブの発展の受益者ですよ。というのが言いたいことです。)


最終的には

ユーザーの動きが大きなうねりとなり、影響が大きくなれば何らかの変化は起こる事は盛者必衰の理。
仕方のないことだ認識している。

我々はそのうねりに身を任せつつ、溺れぬように生きていくしか無い。

 

アップル社iOS9の広告ブロック機能で大混乱しているようです(えふしん) - 個人 - Yahoo!ニュース

はてな」も「Yahoo」も「Google」も広告で持っている。これが急になくなるとは考えにくいが、「全部一旦死んどけばいいんだ」というふうになっては困る。

2015/09/19 13:40


「はてな」も「Yahoo」も「Google」も広告で持っている。これが急になくなるとは考えにくいが、「全部一旦死んどけばいいんだ」というふうになっては困る。 - sirocco のコメント / はてなブックマーク


一旦全部潰れればいいんだなんて強烈な言い分の人もいるが、私も上の方と同様の意見だ。

 

そして、すぐに起こることとしては、evilな人(業者)が増え、一利用者としてはトータルでマイナスの影響が大きくなるのではないか、と感じている。

 


これらは、アドブロックに好意的なエールを送っている一部の方に一度伝えてみたかった。

あなたもこの今見ているサイト、使っているウェブサービスのエコシステムの受益者です。
そのこれまでの発展に対し、広告は一定の寄与をしてきてきた事は間違いありません。
(行き過ぎた広告量やステマまとめサイトなど、evilな業態や会社・ブロガーがいることも事実ですが、全てがそうという訳でもありません。)

どうか広告の事は嫌いでも、そのエコシステムは嫌いにならないで!

 

以上、Don't be evilを心に、今日も。

 (まぁ、GoogleDon't be evilを捨てつつあるみたいだが汗

 

 

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